ゆるゆるな日々 - はてダ版

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ゴミ、都市そして死。

三軒茶屋中央劇場三軒茶屋中央劇場は近くに住んでいたこともありしばしばこの名画座には映画を観に行っていた場所でしたが、多くの人に惜しまれながら2013年にその幕をおろしました。最近は使われて使われてなかったけど入口横の古い受付、見上げると河童の看板があり、冬だと待合室にはストーブが置かれ何とも言えぬ味わい深い雰囲気を醸し出している劇でありました。椅子は小さくて固くて二本立ての上映の最後の方ではおしりが痛くてたまらないのですがそれも味でありました。確か二階席があるのですが老朽化のせいか立入禁止となっていて入ったことはなかったと思います。
建物自体は最近まで残って居たのですがついにシートで覆われ解体される日が訪れてしましました。寂しいですね。三軒茶屋中央劇場のような古い建物がなくなっていく一方、次々と新しい建物が現れています。キャロットタワーもそのひとつで世田谷パブリックシアター三軒茶屋の新しい文化の方向を示しているのかもしれません。


三軒茶屋 世田谷パブリックシアターその世田谷パブリックシアターでSWANNYのファスビンダーの戯曲の二本立てが行われています。観にきたのはそのうちのひとつ、再演となる「ゴミ、都市そして死。」です。


三軒茶屋 世田谷パブリックシアター第二次大戦後の冷戦下のフランクフルトの街に暗部に蠢く娼婦、稼ぎを賭博に費やしどうしようもない夫、娼婦を愛人にする金持ちなど群像です。何ともやるせない現代都市の一面を表しているのでしょうか絶望的でもあります。その中で主演の緒川たまきの凛とした姿は実に魅力的です。劇中では渚ようこの歌も聞けます。音楽は石橋英子ジム・オルーク、山本達久らによる生演奏でこれもまた素晴らしいものでした。ジム・オルークがオペラを歌うシーンもあります。ステージの端にいてカーテンに隠れてしまい姿が見えないのが残念ではありました。一瞬だけちらりと見えたのですがオペラに合わせてか貴族のようなカツラを付けておりました。