ゆるゆるな日々 - はてダ版

はてなダイヤリー時代の日記を移行しました。新ゆるゆるな日々はこちら→ http://petsounds.hatenablog.com/

Fires on the Plain

渋谷 ユーロスペース渋谷ユーロスペース塚本晋也監督「野火 Fires on the Plain」を観てきました。塚本監督作品は「鉄男」から観ています。多分殆どの作品は観ているかと思います。原作は大岡昇平市川崑により映画化されたこともありますがそちらは観ておりません。
戦争を描いた映画ではありますがいわゆる戦争映画のような英雄は出てこないし、悲惨さを描き感情に訴えてくるようなものでもありません。戦場という極限の環境の中で心身ともに崩壊した人間がこれでもかと出てくる映画です。こうした状況下においては人間は壊れることを受け入れることしかないのかもしれません。キツイなイタイなと映画を観ながら思っていたのもののしばらくすると、映像と気持ちが一体化してきてもうどうにでもなってくれという思いになります。それは腕が千切れ血が吹き出し内蔵や脳みそが飛び出るスプラッターな戦闘シーンで極まります。
時折耳元で聴こえるようなハエの飛ぶ音に我に返りギリのところで現実に戻れtという思いになります。監督演じる主人公も壊れ切る一歩手前のギリのところに留まることができたのでしょう。それが幸なのか不幸なのかはわかりませんが。この映画を観て戦争には行きたくないな、行かせたくないなと少しでも多くの人が思うことができればと思います。あと印象に残ったのは自然の緑の色でした。