ゆるゆるな日々 - はてダ版

はてなダイヤリー時代の日記を移行しました。新ゆるゆるな日々はこちら→ http://petsounds.hatenablog.com/

銃をとれ

渋谷瀬々敬久のピンク映画であり、羽田のうらぶれた風景を映し出した「羽田へ行ってみろ、そこには海賊になったガキどもが今やと出発を待っている」は衝撃的でした。昨日、観た「行旅死亡人」の井土紀州が脚本として参加した作品も何本も撮っています。その瀬々敬久の新作を渋谷シアターNで観てきました。
ドキュメンタリー頭脳警察」です。3部構成の、全部観ると5時間14分の映画です。青山真治の7時間半の「AA」も観てますのでそれに比べたら、ちょろいでしょうてな感じで観に行きました。ですが、とりあえず1部、2部のチケットだけを購入。でも、どうせみるならば一気にとそのあと3部のチケット購入して、上映後の瀬々敬久足立正生トーク・イヴェントまで観てきました。7時間超です。
音楽を意識的に聴くようになった頃、頭脳警察は伝説として見聞きしていた程度で、むしろ鈴木慶一のプロデュースしたPANTAの「マラッカ」がリアルな体験だったと思います。これは名作といわれてます。名作です。かなり聴きました。でも、かつての頭脳警察三里塚の映像などを見ていますが、何か繋がらないなという想いを抱きつつ今に至っていました。
作品は再々々結成する頭脳警察というかPANTAのの3年間を追ったドキュメンタリーです。ドキュメンタリーとして観ると、そこんとこもうちょっと掘り下てよとか思うところもあります。母親の葬式の時だけにでてきた妻はどうしてるのとかね。
PANTAは企業のCMも担当し、あちら側にいってしまったような時代もありました。活動家だった糸井重里も企業のコピーを書いたりもしていました。企業とともに時代を変えていけるかのような気分もあったりもしました。バブルで崩れましたけどね。というか、企業は儲からない事はしないって事。儲からない物は捨てる。西武百貨店は文化を捨てちゃいました。
足立正生トーク・イヴェントでPANTAはヒーローだと、時代を歌っていると言っていました。かつての頭脳警察がいた時代を体験していないので、今のPANTAとの繋がらないという思いは、そんな事もあるのかもしてません。地道に着実にすばらしい演奏をやり続ける石塚俊明や陽炎のメンバーがPANTAの演奏を支えるように見えながら、実はヒーローとして振る舞い、石塚俊明や陽炎、そして重信房子、それから今を生きる人、過去に生きたいた人を無意識に支えようとしているのはPANTAの方なのかもしれないという感じを抱かせてくれます。
それにしても2部で聴かれる、三上寛浦邊雅祥、石塚俊明の演奏がすばらしすぎます。