ゆるゆるな日々 - はてダ版

はてなダイヤリー時代の日記を移行しました。新ゆるゆるな日々はこちら→ http://petsounds.hatenablog.com/

宇宙の缶詰

赤瀬川原平さん死去 「老人力」「超芸術トマソン

知的なひねりに満ちた前衛美術作品を手がけ、「老人力」「超芸術トマソン」などの著作、芥川賞受賞でも知られた画家・作家の赤瀬川原平(あかせがわ・げんぺい、本名赤瀬川克彦〈かつひこ〉)さんが、26日午前6時33分、敗血症のため東京都内の病院で死去した。77歳だった。通夜、葬儀は近親者のみで行う。喪主は妻尚子さん。作家の赤瀬川隼(しゅん)さんは実兄。

asahi.com

赤瀬川原平氏が亡くなられました。
取っ掛かりはトマソンだったと思います。テレビで見たのが先であったのか「写真時代」の連載で知ったのが先であったかのは覚えていないのだけれど、ただ昇って降りるだけの階段に代表される役に立たない物件の美学に魅了されました。後の路上観察学会の活動も含め自分の街歩きの元となっているところがここにあります。
逆に辿る形で首都圏清掃整理促進運動など東京ミキサー計画〜ハイレッド・センターでの活動、扇風機などのを包装紙で包む梱包作品や櫻画報などの記録に触れるようになりました。
滑稽新聞を知る事にもなり新明解国語辞典を使うようにもなりました。でも老人力にはあまり関心なかったように思います。流行語大賞をとった言葉でもありますが、ひねくれていたのでしょうね。
昨夜、web上に忽然と現れ消えた赤瀬川原平の訃報は千葉市美術館での展示に併せたパフォーマンスなのかとも思えましたが、夜が明けるとそれは事実であると知らされました。寂しくなります。
蟹缶を開けて中身を食べ、外側のラベルを剥がして内側に貼りふたたびハンダで密閉するという宇宙の缶詰という作品があります。缶の中身は宇宙でありそこに赤瀬川原平も自分たちもいるのかと思うとこそばゆい気持ちになります。権威や体制とも抗いながらもするっとすり抜けちゃうかのような突拍子もない人だったんだなとか。
合掌。