ゆるゆるな日々 - はてダ版

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北国行きで

[アート]ヨコハマトリエンナーレ
ヨコハマトリエンナーレ2014 ヴィム・デルヴォア「低床トレーラー」開催中のヨコハマトリエンナーレ2014に行ってきました。アーティスティック・ディレクターを森村泰昌が務めているということでも興味を覚えます。横浜美術館と新港ピアの2会場に65組もの作家の作品が展示されているということで、観る時間も考え、午前中から乗り込みました。


ヨコハマトリエンナーレ2014 マイケル・ランディ「アート・ビン」まずは横浜美術館の会場へと向かいます。建物の前庭にはヴィム・デルヴォアの作品「低床トレーラー」がどんと置かれています。トレーラーをゴシック装飾スタイルによって再現したというこの作品、なかなか迫力があります。チケットを買って中に入るとマイケル・ランディの「アート・ビン」という巨大な"美術のゴミ箱”が展示されています。作品を持っていけばこの”美術のゴミ箱に"捨てることもできるようです。まだまだ、入り口です。ここまではチケットなしでも観られます。


ヨコハマトリエンナーレ2014 イザ・ゲンツケン「世界受信機」エスカレータで上がったところにヨコハマトリエンナーレのコンセプト「華氏451の芸術:世界の中心には忘却の海がある」の文字が書かれています。華氏451とはレイ・ブラッドベリ小説であり、本が燃え始める温度を意味し、本を読むこと、持つことを禁じられた社会を描いたものです。ヨコハマトリエンナーレは本、つまり記憶なんて忘却の海に浮かぶちっぽけなものであり、忘却の海を巡る旅のがこの芸術祭であるということのようです。
イザ・ゲンツケンの「世界受信機」はコンクリートの塊から2本のアンテナが出ていてるものです。聴こえない声を聴くものなのでしょうか。


ヨコハマトリエンナーレ2014 釜ヶ崎芸術大学
興味を惹かれたのは「釜ヶ崎芸術大学」という釜ヶ崎で開催されている講座やワークショップなどを通じて作成された書、写真、オブジェなどの作品展示です。妙なパワーがあります。


ヨコハマトリエンナーレ2014 釜ヶ崎芸術大学


ヨコハマトリエンナーレ2014 毛利悠子「アイ・オー - ある作曲家の部屋」大友良英の展示などにも参加してきて気になっている毛利悠子作品は「アイ・オー - ある作曲家の部屋」とタイトルが付けられているのものです。(2014)、毛利悠子。オルガン奏者、指揮者であり東北学院大学で音楽の指導をしていたビクター・C・セアルが残した残した自作の楽器を復元し様々なオブジェと同期して自動演奏するようにしたものです。カサカサ、ゴソゴソする感じがなんともユーモラスなのです。
ピエール・モリニエの写真も展示されています。成山画廊所蔵のもののようです。ジョセフ・コーネルの作品も、箱の作品だけでなくて、16ミリの短編映画も観られたのは嬉しかったですね。
なかなか見応えがありあます。中途半端な朝食だったこともあり、時間も昼を過ぎると、むちゃくちゃお腹がすいてきました。アートはいくら観てもお腹は満たされません。新港ピアの会場へ行けば食事するところがあるかなと思いシャトルバスで移動いたしました。


ヨコハマトリエンナーレ2014 大竹伸朗「網膜屋/記憶濾過小屋」新港ピアの入口にはやなぎみわのステージ・トラックが置かれています。舞台が現れた状態なのですが、ボディが展開し舞台が出てくる様子も観たいものです。一番奥にカフェらしいスペースがあるようなので一目散にそこへ行きパスタで何とか胃袋を満たしました。ということで、逆順で展示を観ていくことになりました。一番奥に展示されている、展示順で言えば最後の作品となるのは大竹伸朗の「網膜屋/記憶濾過小屋」でありあました。様々な廃材(のような物?)で作られた移動可能(?)な部屋の中には写真などがところ狭しと貼りつけられています。これぞ記憶の塊とでもいうのでようか。向かいにの松澤宥インスタレーションも濃密な空気を漂わせています。
展示をひと通り観た後、新港ピアの出口(というか入り口でもあるのですが)に書かれたヨコハマトリエンナーレのコンセプト「華氏451の芸術:世界の中心には忘却の海がある」を観てなるほどなーと思うのでありました。
気になったのは会場内で監視をしてるスタッフの方です。うろうろしていかにも怪しい人を見つけてやる感ありありの様に見えるのです。撮影可の作品もあるのでカメラを持って歩きまわっていたのですが、撮影禁止の作品を撮るのではないかといつも観られている感じがしていいものでありません。実際、動画を撮影している人がいたのだけど、これぞとばかりに駆けつけて注意していました。その人は撮影許可を得ていることを示す腕章をちゃんと付けていたのにね。


[散策]工作船
横浜 旧税関事務所遺構横浜まで来たのでぶらぶらと会場の近くを散策。赤レンガ倉庫近くの旧税関事務所遺構があります。レンガ造り3階建てのゴシック様式の建物だったそうですが、関東大震災で焼失したのだとかで、今では土台部分の赤レンガなどが残っています。


横浜 横浜港駅かつてあった横浜港駅のホームや鉄路の跡が残されてもいます。


横浜 工作船展示館海上保安資料館横浜館があり無料で観られるようなので入ってみました。展示されているのは北朝鮮工作船です。銃弾の跡が生々しい鋼鉄の塊のような工作船が、オシャレな横浜赤レンガ倉庫のすぐ近くで展示されているというのも妙なものです。無線機やミサイル、銃などもあります。外から建物の写真をとっていたらジロジロ見られたのだけど怪しまれたのでしょうか。