不屈の民
夜は渋谷WWWでPhew×高橋悠治。衝撃的なライヴでした。
会場のWWWは以前は映画館だった場所。映画を上映していた頃ははちょくちょく来た場所ですが、ライヴハウスになってから来たのは初めてです。流れとはいえ映画館が少なくなっていくのは哀しいことです。
フロントアクトのSachiko.Mは大友良英との演奏などでは見ることはしばしばありましたが、ソロは久しぶりです。ひたすら鳴り続けるサインウェーヴの単音が会場の中を蠢き回ります。究極の音、揺ぎ無き音です。それはその次に始まる演奏の序奏なのでした。
Phewと高橋悠治のライヴ、それはピアノやオルガンをバックに歌うというシンプルなものです。一曲目の「不屈の民」。音が出てきたとたん背筋がゾクリとしました。やばいものが始まった、そんな予感。最近、耳にすることが増えた曲です。「平和に生きる権利」も演奏されました。Phewの歌でこれらの曲を聴けることは嬉しくもあるのですが、そんな時代なのだなとも思うと複雑な気持ちです。
他にはブレヒト・ソングやサティなど。どの曲も短いものですがMCもなく微妙な緊張を保ちつつ次々と演奏されていきます。
Phewはレスリースピーカーに接続されたマイクに変えて声を変えて歌ったりもしています。時に不安定になりながらも包みこむような深さを感じる声に引き込まれます。時折はっとするメロディを織り込む流麗な高橋悠治のピアノに聞き惚れます。声とピアノの素敵な絡み、素晴らしいの一言です。もう最高の夜です。
ドアーズの「ジ・エンド」は最高に素晴らしかった。