ゆるゆるな日々 - はてダ版

はてなダイヤリー時代の日記を移行しました。新ゆるゆるな日々はこちら→ http://petsounds.hatenablog.com/

私たちの望むものは

渋谷百軒店の名曲喫茶ライオンで珈琲。1926年創業。その頃から時の流れが止まっているかのような店です。スピーカーを組み合わせた立体再生装置は芸術的。音響的に良いのかの話は置いときましょう。いつも、和ませてもらっております。
まったりとしてから、円山町のユーロスペースで大森立嗣監督「ケンタとジュンとカヨちゃんの国」を観ました。上野の国立博物館の敷地内に設置された映画館、一角座で上映された、大森立嗣の前作「ゲルマニウムの夜」も観ています。
ケンタとジュンとカヨちゃんの国」は、施設育ちで建設の現場でハツリ工として働くケンタとジュンがナンパで出会ったカヨちゃんを連れ、生きる場所を探して北に向かって彷徨うロード・ムーヴィーといったものでしょうか。痛さが胸に染みます。
最近の若い人がどうなのか、良く分からなくもなっているのですが、ここまでの劣悪さ、馬鹿さは多くの人からは現実感がないように見えるのかもしれません。かなり省略して強引なつなげ方しているとことか、空想力がないと納得できないだろうし。
破滅に向かうしかない無謀さに若松孝二監督の「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」を思ったりもします。破壊して理想とする現実をつかみとろうなんて、時代錯誤なのかもしれません。あれほどの野望も思想もないのですけどね。でも、そんなのに心が揺さぶられるのです。
大友良英の音楽が秀逸です。勝井祐二のヴァイオリンがいい。そして、阿部芙蓉美の歌うエンディングの「私たちの望むものは」でやられます。すでに、大友良英サウンドトラック Vol.0」で何度も聴いているものではありますが。